オパ

デリヘルを呼んだ男

4月3日、とある一軒家にとある男が住んでいた。
彼は18歳にライン工に勤め早3年間が経ち、淡々と変わらない日々を送っていた。
そんなある日彼はある事をフッと思い付きこう言葉を漏らす、
「デリヘル呼びてぇ」
あまりにも突拍子もない事を呟いて自分でも少し驚きつつ彼は近くのスマートフォンに手を伸ばす。
…彼は愛に飢えていた、小さい頃から親にも褒められず、仲がいいと呼べる友人もおらず
変化もクソもない毎日に心が危険信号を出したのだろう。
しかしデリヘルを呼ぼうにしても初めての事なので、
興奮しながらサイトに載っている女の子を一人ずつ見ながら ゆっくりと深呼吸をし、
番号を間違えぬよう確実に打っていく。
「はい、こちら○○でございます」
電話の相手は声を聞く限り20~30代のboyでピシッとした姿を想像するような、
まるで薄汚れた自分とは かけ離れた男性だな
、と一瞬思い間が空かぬよう早々と受け答えをする。
「あっ あのっ サイトを見て電話したんですけど…」
たどたどしい言いぐさで話す自分をまるで宥めかせるかのようにboyは応答した。
「はい!ご予約ありがとうございます、では女の子を指定してください」
やはり相手は数多くの男性の受け答えをしているだけあって話の流れがスムーズ活乗せるが上手かった。
そして自分のイチモツを加えてくれる女の子を彼はまだ明確には決まっておらずあたふたし、とにかく相手を 困らせまいと目に入った女の子を指さしハッキリと答えた。
「○○さんで!」
今思えば、ここが最近生きてきた中で一番の勇気を振り絞りだした瞬間だったであろう、答えた瞬間謎の安心感と やってやった感が彼を包んだ。
「はい!では場所の指定などはございますか?」
場所の指定、そんなのがあるのかと同時にまだ受け答えをしなければならないのかと不安に駆られたが 今回の質問は以外にもあっさりと終わった。
「えと…じゃあ、う、家で…」
それからは家の住所と電話番号を教え全ての応答を終えたと安堵した時にboyが最後の言葉を放った。
「はい!では一時間程お待ちください」
___終わった… ただでさえ外で人と喋る事すら少ない事に コミュ力をうしなっていた彼にとってこの程度の事は大冒険だったことだろう。
しかし電話を終えて十分ぐらい時間が経った頃に彼に対して物凄い後悔が降りかかる。
「ウウー…緊張する、なんで俺デリヘルなんて呼んじちまったんだぁ…?」
あんなに性欲の赴くまま行動をし、ワクワクしながらサイトを見ていたにもかかわらず いざ電話をしてしまい冷静さを取り戻した彼は頭を抱えこれから行為を及ぶであろうベットの 中でジタバタしていた、
こんな事をしてももう後戻りはできない筈なのに___ キャンセルをしたらいいのでは?
という考えもあるだろうが今現在自己嫌悪に 浸っている彼にそれを考える余地は一切なかった。
そんなこんなをしている間に予定の時間は一刻一刻と迫ってくる、
電話をして50分ぐらい経った時だろうか、彼は諦めたのか又覚悟を決めたのか ベットの上で正座をし、迫りくるお嬢を待ち、ついに家のインターホンの音が家じゅうに鳴り響く。 「こんにちはー ○○ですけどー」
___きたっ と何時間も待ちかねたかのように彼の足は玄関へと一歩一歩歩を進めていた。
玄関を開けると煌びやかに輝くお嬢と後ろに黒服を着た男性がそびえ立っているではないか 最近のデリヘルは男とセットなのか?まさか俺と嬢との交尾で何か悪さをしないようにという監視がつくのか?
と一瞬疑心に思ったがただのお金を徴収する人だったので金額を支払ったらそそくさと帰って行った。
「それじゃあ始めよっか、どうする?服は脱ぐ?」
慣れているかのようにトントンと話を進めていくお嬢にシドロモドロしながらも 服を脱ぐ様指示をした。
それから行為を及んだのだが緊張しているのか中々チンポがたたない。
嬢は困った顔をして彼のチンポをしごくいたり舐めたりするのだが一向にたつ気配がないまま リミットタイムが過ぎてしまい不完全燃焼で終わってしまったのだ。
「ごめんね…私が不甲斐ないせいで…」
嬢は申し訳なさそうにそう言葉を漏らすと最後は笑顔でそそくさと家を出て行った。
嬢が帰って間もない頃だっただろうか「ホロリ…」と彼の右目から一滴の雫が流れる。
その流れる雫を右手で拭うも拭うも全く止まる事がなく大量に流れてくるではないか、 彼は泣いた、少し湿ったベットの上で。
彼の心はこんな事に金をドブに捨てた後悔でいっぱいいっぱいだった。
俺がこんな事をしている間皆は立派に仕事をして恋人がいて順風満帆で… そんな事を考えれば考える程自分自身がちっぽけな存在に思えて 発狂寸前にまで彼は堕ちていった。
しかし夜がくれば朝がくるかのように、ベットの中でくるまっていた暗闇にも一筋の光が 彼を照らし、また変わらぬ日々が彼に待ち受けていた。
6月23日___
「おい後輩!今日飲み会あるんだけどお前もこないか?」
「えぇ?俺なんかが行っていいんですか?」
「あぁいいぞ お前とゆっくり喋りたいと前々から思ってたし」
「へ、へぇそうなんですか…あの先輩、ちょ、ちょっといいですか?」
「ん?」
「今度一緒に…デリヘル呼びませんか?」  END